そうこうしてるうちにあの女の子ー、唯という子が戻って来た。


濡れた洋服は家で着替えてきたようだ。


手にバスタオルとビニール袋を抱えていた。


わたしに近寄ると、


「あのコートは諦めた方がいい。ビシャビシャでクリーニングにも出せないし」


と言った。


わたしは唯からバスタオルを受け取ると濡れた髪や体を拭いた。


ビニール袋の中にはわたしが持っていたショルダーバッグが入っていた。