海辺から丘に向かって5分程引きずられるように歩くと、ロッジ風のお店が見えてきた。


よくは見えなかったけどカフェのようだった。


犬は相変わらず吠えている。


わたしが何者だか分からないからだろう。


扉を開けるとカランカランとベルが鳴った。


「マスター!」


「唯ちゃんどうしたのその子!?」


わたしは寒さと長時間海水に浸かっていた疲労とで顔を上げることが出来なかった。