何度もどうして!ほわい?の言葉を
晴に向かって連呼し続けてみる。

なんだか口ごもってるように見えて
尚更怪しい!



「もしかして好きなの?ソイツ」

「べべべつに?」

「その口調の弁解は無理があるってば」



挙動不審な"べつに?"が自然と
出てきてしまったけど、好きじゃないのは
この身をかけて言える。


言い換えるならば、"気になる"。


とはいえ、お察しの良い晴にはバレてる。

ニヤリと妖しい笑みつきでこっちを見据える
晴に嘘を隠し通すのは結構難しい。


だって、どうするの。
もし東海林一志と付き合ってるって言い出したら。

あたしの立場ゼロじゃん。
人生って上手くいかないんだよね、わかる。


深いため息をひとつついて再び顔を伏せた。