………はっ。しまった。


おたま片手にカーテンの隅をちょろりとつまみ窓の外を眺める母親を見て彼は固まっている。


「いや…、あ、……あははは。
雨が降るかもなぁ…なんて。
エヘヘっ」


ああ。
私よ。
もう少しうまく誤魔化せないのか。

……これじゃあますます怪しげだろうが。


「………ふぅん?
夕日、ガンガン出てるけどね……」


呆れたように祐吾が言う。

「えへっ。
だよねぇ!」


ああ。再び。
もう喋るな、自分よ。