ぼくの名前はたいが。

一番のなやみは、学校のプール。

水の中で目をあけるなんてできないもん。がんばってもできないもん!

でも2組の中で、水に顔をつけられないのはぼくだけ。

3年生のわかなちゃんが言うの。わかなちゃん、髪がながくてきれいで優しいんだあ。

「たいがくんのお姉ちゃんはすごいよ!スイミング習ってる人より平泳ぎが早かったよ」

う…くやしい!ぼくもわかなちゃんにすごいっていわれたい!

すぐそばできいていたお姉ちゃんはすかさず、

「たいがはまだプールに顔をつけられないよね」

なんってよけいなことを!

その夜、お風呂でがんばってみた。でもやっぱり、はなのところまでしかつかれなかった。


お姉ちゃんはプール熱でねこんだ。いじわるだからばちが当たったんだ。