ぼーっと過去を思い出すあたしを、現実に引き戻したのはチャイムの音。


「授業…サボってもうた」


はぁとため息をつき、隣に視線を向けるとスースー寝息を立てて眠ってる涼矢。


綺麗な顔やな、相変わらず。

あたしはそっと頬に手を伸ばし、触れようとしたが手を止める。


「…もうあたしの事なんかどうでもいいよな」


なんか苦しいわ。
こんな近いのにさ、隣におんのに。

触れられへんし言葉すら交わされへん。
ドキドキしてんのは、あたしだけ。


こんなに苦しくて寂しいのもあたしだけ。


多分涼矢はあたしが何しようが、どこにおろうが興味ないんやわ。

いわゆる無関心ってやつやな。