「やっぱり内緒」
「えー何でなん」濱野は聞きたそうにしている。

「恥ずかしいし」
「ええやん。別に」
「いや、内緒や。一生誰にも言わんって今決めた」そう言って濱野に笑う。

「ケチくせー男やな」呆れた顔で俺を見てくる。
「うるせーよ」

やっぱりあの時のことは自分だけが知っておきたい。欲張りかもしれへんけどあのときの佳乃だけは自分だけが知っておきたい。

今日のメニューは軽めですぐに終わった。制服を着て吹奏楽部が終わってるか確かめたけどまだまだ時間がかかる感じだった。

待っておこうと思ったけど今日持っている自分の傘が折りたたみ傘で小さいと分かり一回帰ってから大きい傘で彼女を迎えにいこうて決めた。

帰ってきてすぐに雨が降りだしてきた。

「ヤバいヤバい」
俺は大きな傘とシルバーの指輪が入った箱と携帯だけ持って家を飛び出した。