「待って」咄嗟に彼の袖を掴んでいた。三吉くんは驚いた顔をして振り向いた。

「植本…?」
「好きっ」私の口から彼への思いが飛び出していた。

「え?」彼は驚いた顔をして私を見ている。私は怖くなって下に目線をずらした。

「三吉くんが好きやねん!付き合って」

彼への思いは一生彼には届かないと思っていた。その思いが私の口から出るなんて思わなかった。

だけど、口からどんどん溢れてくる。彼への思いがたくさん溢れてくる。

私が釣り合わないなんて百も承知だから。告白して嫌いなんかにならないで。せめて好きでいさせて。