そう思っていた。あの雨の降る日までは。 「お願いします」 部長の声でみんながあいさつをする。 私の担当しているパートはクラリネット。憧れの箕田先輩みたいにまだまだきれいな音が出ない。 それでも私は毎日頑張っている。上手に弾けなくてもやっぱりクラリネットを弾いている自分が好きだから。 「あっ、報告があるの」憧れの三田部長が動きだそうとする部員に声がかかる。 「佳乃」私の名前を呼びながら憧れの部長、箕田先輩が私の前に来る。