俺はさっきのことを思い出す。
「俺が昼飯持ってった時に、あいつの頬に涙の跡が残ってたんだ。
そして言ったんだ、「あたし達、結婚する約束してたんだね」って」
「約束も思い出して、その時の気持ちも思い出して気付いたんじゃねぇの??」
「それは多分ねぇだろうけど、俺に謝ってきた。
忘れてて、ごめんって。それが何を指すのか分かんねぇけど」
「なら、もう我慢する必要なくね??」
「は??」
「それを思い出したならお前が今でもその気持ちに変わりがねぇってことを、
ゆずかに伝えたらいいと思う」
「……そうか、でもあいつのことだからな、
『昔は昔!!』みたいに思ってそうで正直怖ぇ」
「はは、ゆずからしいな(笑)
でも、そこは頑張るしかねぇ、頑張れよ」
「おう、頑張るわ」
「ん」
こつん、と拳を合わせる。
俺、こいつが親友でよかった。

