きゃあ、という悲鳴が上がり、あたしの身体からは生温かい何かが溢れる。
やがて手に何かがつき、あたしは確認した。
…真っ赤に染まる、自分の手。
普通は驚くんだろうな。
だけどもう驚く気力がなかったんだ。
瞬介があたしの名前を叫ぶのを最後に、意識を手放した。
………目が覚めた。
そこは、真っ暗で何も視えなくてただ呆然と立ち尽くしていた。
「…とりあえず出口探さなきゃ」
1人ポツリ、と呟くとその声は響いて消えた。
ただ当てもなくてくてくと歩く。
いくら歩いても光すら見つからない。
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