文化祭が終わり、生徒だけの後夜祭。 あたしは恵と楽しもうと恵の姿を探したのだけれど見つからず、裏庭へと行った。 11月。 薄暗くなった裏庭で人影を見つけた。 そして、近づけば近づくほど恵だと分かり駆け寄ろうとしたその時―――。 「ごめん、待たせた」 「ううん、大丈夫」 あたしは咄嗟に茂みに隠れてしまった。 今あたしより先に声をかけたのは 祥だった。 「……文化祭お疲れ」 「うん、お疲れ」 それだけの言葉を交わすと2人の間には重い沈黙が流れる。 すると、祥は口を開いた。