「あれ」
スッ、と差し出された人差し指の先には…幸せそうに笑う祥の姿。
そんな祥の隣にいるのは恵ではない、女の子だった。
「祥、決めたんだな」
「うん」
あたし達は分かっていた。
もう2人がやり直すのが無理なんだって。
2人はただの『幼馴染』に戻るのだと。
「ねぇ、飛鳥??」
「ん??」
「…『幼馴染』は幼馴染が限度なんかじゃないよね??
『恋人』にだってなれるよね??」
「ゆずか…」
「悲しい」
「………当たり前だろ、何も不安がらなくていい」
「本当??」
「俺が言うんだから、本当」
珍しく見せた、白い歯。

