「祥、凄く楽しそうに笑ってて、隣にいた女の子も楽しそうだった」
「何かの間違いじゃ…」
あの祥が浮気をするなんて思えない。
祥が恵を大切にしていたことを、あたしは知っているから。
恵の誕生日プレゼントを選びにいく時、祥と飛鳥とあたしで出かけたことがある。
どんなものをあげれば喜んでくれるかって、本当に真剣になって考えてたあの横顔。
決まった時のあの笑顔だって忘れてなんてない。
なのに…、
「間違えるわけないよ。
…だって、私の大好きな人だから」
そう言って恵は泣き崩れた。
その気持ちは、かつてあたしも感じたもの。
好きな人の姿を間違えるわけがない。
それは、あたしだけじゃなくて恋をしてる女の子は皆そうなんだよね。

