「あ、鬼ヶ島みたいですね」

「む?あれが噂のか?」

「何だか毒々しいッスね」

「……」


そうして漸く、ようやく!鬼ヶ島に辿り着いた桃太郎一行。

はい、早く鬼退治してきて。


「しまじろう、お前私達に命令する気か?」

「いい度胸ですねぇ」

「早死には感心しないっスけどね」


やめてぇえぇええ!

俺、進行役っ!


「まあ、被りキャラに構っている暇も無いですし」

「そうだな」

「眠い……」

「……」


ねぇ何これイジメ?


「さあ、鬼は何処だっ?」

「楽しそうですね、龍娘先生」

「思う存分暴れられるではないか!」

「いつもじゃないっスか」

「……」


てかさっきから桃太郎無言なんですけどっ。

主役なんですけどっ。

このままじゃ終わらないんですけどっ。


鬼ー!鬼出てきてっ!!


「はい?」

「……こはく」

「あ、すー。ちゃんとやってるかい?」

「うむ」


嘘じゃんっ!ちゃんとやってないじゃんっ!

…睨むのヤメテッ!