紗菜は白い息を吐きながら笑う。
「食べるー!」
そんな紗菜が、可愛いと思った。
……俺、ロリコンなのかな。
部屋に入ると、こないだと変わらない景色があった。
「あったかーい」
紗菜はストーブの前まで駆け寄った。
「何ケーキ?」
「チョコとショート」
「やった~!」
両手をあげて喜ぶ姿は、微笑ましい光景だ…。
「紗菜」
俺もストーブの前に行き、隣に座る。
あったかい…。
「ねぇねぇ、なんで私のこと名前で呼ぶの?」
そんなことを聞いてくる彼女の表情は硬い。
……何を期待してんだ。
「…名字知らないし」
「あ、そか…。って、知らないの!?」
「うん」
会ったときから、皆紗菜って呼んでたし。


