原和田は、ゆっくりと多田さんを見たが、すぐに視線を俺に戻した。 「お前には、まだ、はやいよ」 「………」 もったいぶりやがって。 「………帰る!」 ムキになった俺は荷物を持って、外へ出る。 誰も止めなかった。 原和田は、悲しそうに俺を見つめていた。 くそっ。 胸クソ悪ぃ。 俺は電柱を一発殴って帰っていった。