「彼は優しい。 名前も知らない私に傘を貸してくれた。 無茶なお願いを聞いてくれた。 …手を、離さないでいてくれた。」 松山さんは、自分の手をそっと胸にあてた。 「……杏、野村のこと、好きだね」 友達の質問に彼女は少し顔を赤くし、笑った。 そして…… 「うんっ!!大好き!」