今の俺の気持ち、そのまま書いた。 「……できた」 「うん」 今、紗菜に会いたい。 紗菜に知らせたい。 「俺、行ってくる…!」 「おー、行ってこい」 俺は手紙を置いて走る。 「野村、強いな…。思い出しても、変わらないでいれるなんて…」 そんな原和田の呟きは聞こえなかった。 今の俺に出来ることは、走ること。 紗菜に会いに行くことだけだったから。