悪いと思いながら、一番下にある手紙を読む。 ――――――――――― 松山 杏さんへ こんにちは。 松山ちゃんを追って死のうとした野村は、記憶を無くしました。 起きたとき、誰のことも覚えてなかった。 俺のことも、家族のことも、松山ちゃんのことも。 でも、あいつはいつか思い出すよ。 そのときを信じよう。 原和田 悠より ――――――――――― それは、原和田からの手紙だった。