俺の腕を引っ張りながら坂下さんは空を見上げた。 つられて俺も空を見る。 「…空、綺麗だね」 夕方の6時。 春になりかけの季節。 まだまだ暗い。 そこには、ある星座が浮かんでいた。 「……北斗七星」 まわりの星より輝いて見えた。 「野村知ってる?北斗七星って、春の訪れって言うんだって」 春の訪れ……。 「もうすぐ春だもんね」 そう、もうすぐ季節は春。 紗菜と会ってから、1年が経つ。