「うん」
「おお」
「……」
「………」

また沈黙。

てゆうか車が一考に動かない。エンジンかけてすらいない。
「…車、出さないの?」
「待ってんだよ」
「は?」

「お前の家しらねぇもん。場所いえよな」

……………。
あ。

亜最はお茶目ですから!!!(強引。

車が動き出す。
やけにエンジンの音がでかい。

そういう仕組みになってんのか、
沈黙のせいで大きく聞こえるだけなのか。

わからなかった。

無言のまま、車が走る。
「…右」とか案内の言葉しか言えない。

思い付かないし。

10分後、私は家の前までついた。
「……アリガト」
荷物を慌ててつかみ、礼を言った。
「……いえ」
困ったような返事だった。
「………えっと、じゃあ…」
「おー……」
暗っ
私もアイバも暗いよ。

顔合わせたら想像を超える不細工さだったとか?私。

車のドアを閉める。
勢いよく閉めてやった。
意味はない。
皆無。

アイバの車はゆっくりと去った。
扉を開ける。
「ただいま…」

玄関に入ると同時に携帯がなった。
友の亜美からのメール。

「ちょッ、亜最ダイジョーブ??亜最んオヤジさん超心配してたんだけど。
知らないかって聞かれた。心配させんなや、幸せ者\^o^/」


……。
幸せは意外と身近にあるのかも。

アイバの車に落ちていたチョコの袋を開けて、食べた。

苦かった。

ぴぴぴっ
携帯がなる。亜美かな。
知らない番号。
「はい」
「どーも。アイバです」
「……は?」
「いや、お前可愛いな。車の中で勝手に携帯かりてすまそ」
「は!?」












………は!?
そう言った私の声は震えていた。
嬉しくて。
泣きたくて。

でも泣いてなんかやんないけど。

終わり