「よくわかりませんが、
よろしくお願いしますね。
原田さん。」



そっと沖田さんの手が
前に差し出される。



「はいっ!」



その手を握り、
ぎこちない笑顔で返事をする。



「それでは、
俺は局長に話があるので、
原田さんはゆっくりしていて下さい。」



それだけ
言って、部屋を出ていってしまった。



「ゆっくりって言われてもなぁ…」



私は、
部屋の真ん中から
角へと移動した。



「……暇だな…。」



ぼそっと一人で呟くと、
私のいる部屋の戸が勢いよく開く。



「………」



「………」



『うぎゃぁぁあああっ!』



屯所中に叫び声が響く。



「ど、どうしましたか!?
原田さん!」



ほんの数秒もしないうちに、
沖田さんが駆けつけてくる。



「あ…
いえ、叫び声は私じゃなくて……」



さっき部屋に入って来た人に指を差して
沖田さんに説明をする。



「…なるほど、
そういう事ですか。」



少しだけ笑うと、
男…いや、
男の子をその場で座らせる。