………シーン…



その人が来た瞬間、みんなが静まった。
そして、私の腕を掴んでいた永倉さんも手を離して自分の位置に座る。



た…助かったぁ…


油断した時、誰かに肩を抱かれた。
ゴツゴツとした男らしい手から目線を上げると優しい笑顔をした人が私の肩を抱いていた。


「局長までお気に入りですか…クスクスッ」


「敬助!どこいってたんだ?頼みたいことが…」


「僕に頼み事ですか?珍しい…クスッ」


私の背中がゾワゾワっとした。
奇妙な笑いをするあの人は総長だとか…
局長と呼ばれた近藤さんは肩を抱いたまま離してくれなかった。