あっ… 私、あの人の名前聞いてない!! そう思い、佐之助くんの腕から抜け出して相手の前に立つ。 すると… ぎゅっ 「海陸ちゃん捕まえた♪」 真正面から抱きつかれ、長身の相手の体に背が平均より低い私の体がおさまってしまう。 「ちょっ!!だから触んなっ!!」 私に抱きついている相手の服を掴みぐいぐい引っ張る。 「おいチビ、俺様に気軽に触れんな…。」 ん…? あれ? さっきの人と違う人…? そう間違えてしまうぐらい、さっきの人と目つきも雰囲気もまったく違う人格だった。