「なぁ、
テメェの名は?」



ハッと我に戻る。

私はまた、
美しい顔立ちの男に
見とれていたのだ。



男に名前を聞かれ、
正直に答えると、



「俺は
高杉晋作。
なんとでも呼べ」



薄ら笑いをしながら
私に一枚の写真を見せる。



「お前よぉ、
この男見なかったか?
俺ぁ、コイツを探しに来たんだ。」



そこには、
髪を少しだけ縛っているが、
きっちりした縛り方ではなく
緩く結んだような感じの男の姿があった。