妻との間に子供はなかった。 ゆえに私は新たに妻をめとった。 けれど新しい妻は私に触れようとはしなかった。 私を醜いと、妻の目は言っている気がした。 私はまた私が嫌いになった。 鏡も水面も硝子細工も、また嫌いになってしまった。 妻は私に嫁いだのではない。 私の財産に嫁いだのだ。 妻が美しいということには、屋敷の中の宝物をとしか言わなかった。