蒼髭公はなかなか息絶えなかったゆえに、首を落とそうと兄たちが言った。 片方が背中を押さえつけ、片方が首に斧をあてがう。 蒼髭公の爪は、牙は、瞳は、なおも小屋の奥で震える娘をとらえて離さない。 「――…あなた」 娘が呟いた言葉を聞いたか、荒い呼吸を吐き出しながら蒼髭公は唸り、暴れる。 その瞳に蒼く光る液体が浮かんだのは、多分、娘以外に気付かない。