―――……蒼髭公が出ていって間もなくである。 妻たる娘は、たくさんある部屋をひとつひとつ回りながら宝物を眺めた。 綺麗な宝物ばかり。 妻は楽しくて仕方がない。 夕方を過ぎた頃である。 妻はすべての部屋を回り終え、退屈に打ち拉がれてしまった。 ――…この、金の鍵の部屋以外。 妻は好奇心に駆られる。 「あの部屋にはどんな宝物があるのかしら」