私は、蒼髭と呼ばれている。 鬱蒼と茂るようなこの髭を生やしているからである。 私は醜い。 鏡を見るのが嫌いだ。 かのナルキッソスのように、我が身に恋をするほど美しい容貌に憧れた。 しかし、それは決して叶わない。 皮厚く、吹出物ばかりの肌と腫れぼったい目を見て誰が恋をするだろう。 これでは誰にも愛してもらえないばかりか、目に留めただけで嫌われ者だ。 私は醜い。 鏡も水面も硝子細工も、美しいものすべて大嫌いだ。