すると、リビングでは、ノートパソコンに向かって仕事をしている英治が。


「おはよー」


私は英治に声を掛ける。

すると、英治は振り返り


「おはよう」


と言い、すぐにノートパソコンに視線を戻す。


あれ……?

英治、何か素っ気ない?


いつも一緒に居る時は、朝起きたらおはようのキスをしたり、ぎゅっと抱きしめてくれたり、スキンシップがあるのに。

だけど、今日は目も一瞬しか合わなかった。

口調からすると、機嫌が悪いわけではなさそうなんだけど。

英治の態度は気になるが、今は先にこの頭痛を何とかしたい。

ソファの上に置かれている私の鞄の中から、頭痛薬を取り出そうと、ごそごそと鞄の中を探す。

私は頭痛薬を見つけ


「英治、水貰うね?」

「ん?あぁ。……、しんどいのか?」


私が手に持っている薬に気付いた英治は、心配そうな顔をする。


「しんどいって言うか……。ちょっと頭が痛くて……」


そう言って、私はキッチンへ向かい、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出す。