「会社の後輩……」


思ってもみない言葉だった。


……えっ?

こうはい?

私、彼女じゃなかったの?

私達、付き合っていたんじゃなかったの?

っていうか、私達、別れた事になっているの?


誠司に聞きたい事はたくさん頭の中に浮かぶのに、うまく言葉にならない。


誠司に会える事、楽しみにしていたのは私だけだったんだ……


誠司の言葉にショックを受けた私。

この状況を認めたくなかった。

理解出来なかった。

というよりは、理解したくなかった。


そして、女の人が何かを言っていたけど、耳に入ってこない。


とりあえず、今、ここに居たくない。

二人の姿を見なくない。


そう思った私は、落とした荷物を持ち、何も言わず、誠司の部屋を後にした。


そして、数日後。

誠司からメールが。


『ごめん』


一言だけ書かれていたメール。

謝られても、どう返したらいいかわからない。

だって、『ごめん』ってだけ書かれても、誠司がどうしたいのかわからない。

例え、“許して”と言われても、私には許す事が出来ないから、もう誠司とは付き合う事はできないけど。

結局、私はそのメールの返事はしなかった。


そして、そのまま誠司と関係は終わった――…