私が新入社員の頃――…

私の教育係でいろいろと面倒を見てくれていた先輩がいた。

そして、その先輩と仕事終わりに食事をする事が多かった。

その時、たまに先輩の同期の人達とも一緒に食事したりしていた。

その中にいたのが、当時、営業課にいた誠司。

それから何度も誠司も一緒に食事する機会があった。

それは、二人きりではなく、先輩や他にも人がいたけど。

そんな機会が何度もあり……


クリスマスイブの日。

誠司に食事に誘われ、初めて二人きりで会う事に。

その時に、誠司から告白された。

私は誠司の事を

“気が利いて、優しい人”

そう思っていた。

そして、誠司に対して好意を持っていた。

だから、もちろん返事はOK。

その日から付き合う事になる。


付き合ってからの誠司も、変わらず優しく、いつも私を甘えさせてくれた。

喧嘩をする事もなく、1年と数ヶ月が過ぎ……

誠司は大阪支社へと転勤になる。

私が働いている本社があるのは東京。

東京と大阪。

遠距離になった私達。

なかなか会えないかわりに、メールを頻繁にしたり、寝る前には毎日電話をしていた。

そして、月に1〜2回、週末に私が大阪に行ったり、誠司が東京に帰ってきたり。

だけど、そんな平和で幸せな日々は、長くは続かなかった。


メールの回数も減り、夜、電話をしても


『ごめん。疲れているから切る』


と言われ……

だから、電話もかけづらくなる。

もちろん、会う回数も減っていった。