「今、すっげぇ嬉しい」


心からそう思った俺は、自然と言葉となって出てくる。

だって、ずっと、ずっと、好きだった園田が今、俺の腕の中にいるのだから。


「私も嬉しい」


園田にそんな事を可愛く言われると、今まで抑えられていたものが、吹っ飛びそうだ。


「なぁ、園田……」


俺は少しずつ園田の顔に近付く。

すると、園田は目を閉じる。

それが合図かのように、俺は園田の唇に触れる。


そして、お互いを求めるように、熱く深いキスを繰り返す。


「……んっ……」


俺の腕の中で、園田の力が抜けていくのがわかった。

俺は、園田の唇から離れると、また力強く抱きしめる。


そして、園田の事を絶対に離さない。

そう、心に誓う――…





「あっ!」


俺の腕の中から、園田はパッと顔を上げる。


「何?」

「やっぱり社長にバレないようにしなきゃいけないよね?」


園田は不安そうな顔をして俺を見ている。

そんな園田の髪を撫でながら


「あぁ、大丈夫じゃない?社長、そういう事に口を出さない、っていうか出せない?」


普通は社長にバレないようにした方がいいのだろうけど……

元々、真人はそういう事に、ごちゃごちゃ口を出してくるタイプではない。

それ以前に、真人は今、俺と園田の事、反対なんて出来るわけがない。

だって真人は、友達の妹だとはいえ、うちの会社の新入社員の子と付き合っているのだから。