俺が秘書課に異動して来てから、１年と少しが経った頃。

仕事にも慣れてきた俺は、園田と一緒に社長である親父さんの秘書をしていた。


そして、ある日の午後。

社内を歩きながら、この後のスケジュールを園田が手帳を見ながら、社長に伝えていると……


「きゃぁっ!!」


ドサッ――…


園田の悲鳴と同時に、社長が目の前で倒れた。


「社長っ!!」


俺と園田は社長に駆け寄り、社長に声をかけるが、社長は意識を取り戻さない。

いきなりの事で冷静さを失い、俺は頭が真っ白になっていた。


「倉木っ!!医務室行って、看護師さん呼んで来て！」


園田の声にハッとし、俺は慌てて医務室へ向かう。

うちの会社の医務室には、看護師免許を持った人が常駐している。

それと同時に園田は携帯で救急車を呼んでいた。

そして、看護師が応急処置をしていると、救急隊が到着し、俺達は一緒に病院へ向かう。

病院に到着し、先生に見てもらう。

社長は過労で倒れた事がわかり、しばらく入院する事になった。


俺が社長の奥さんに電話をしている間、園田はこの後、会う予定だった取引先の会社に電話をし、スケジュール変更をしていた。

そして、俺は社長の奥さんが来るまで社長に付き添う事にし、園田は会社に戻る事にした。