それ以前に、俺はまだ、園田に気持ちを伝える気はない。

だって俺の事を何とも思っていない園田に、俺の気持ちを伝えても断られるだけ。

気持ちを伝えるなら、俺の事を好きになってもらえるように努力をしてから。

だから、俺の事を知って欲しいから、ヒマさえあれば園田に話し掛けているし、ご飯に誘ったりして、一緒に居られる時間を作っている。

“気持ちを伝えるなら、俺の事を知ってもらってから”

そう思っている俺は、気が付けば2年くらい想い続けている。

そんな事を考えながら園田を見ていると


「残業ー」


と返ってきた。


その仕事を手伝うと言った俺は


「さっさと終わらせて、メシ食いに行こうぜ」


と、誘ってみる。

時間があるのなら、少しでも園田と一緒に居たいから。

俺の誘いに、何故かすごく驚いていた園田だけど


「うん、行こう!頑張って早く終わらせるよ」


と、嬉しそうな表情を見せてくれた。

誘った時に、こうやって嬉しそうな表情を見せられると、俺も嬉しくなる。

だって、それは園田に嫌われていないって事だから――…