「なぁ、知里……」
「ん?」
「あの時、渡せなかったんだけど……」
「ん?何を?」
知里は振り返り、俺を見ながらきょとんとしている。
「……これ、受け取ってくれるか?」
そう言いながら、ポケットに忍ばせておいた指輪の入った小さな箱を差し出す。
“OK”の返事は貰っている。
それに、お互いの両親への挨拶も行ったのだけど。
こういうのを渡すって、緊張するな……
「えっ?えっ?」
知里は俺の差し出した掌に乗っている小さな箱を見て驚いている。
「忙しくて、二人でゆっくりする時間、なかなか取れないかもしれない。だけど、知里の事、大切にする。
だからさ……、もう一度言うから聞いて。俺と……、結婚して下さい」
俺は知里をじっと見つめながら言う。
「はい……」
知里は少し目を潤ませ返事をする。
「知里、左手出して」
「はい」
俺は箱から指輪を出し、差し出された知里の左手そっと触れ、そのまま薬指に指輪をはめる。
「知里……、愛してるよ」
そう言って、指輪をはめた知里の手にそっとキスをする――…
気持ちがすれ違った時もあった。
だけど、それを乗り越えたから、今の幸せがある。
これから先、困難な事があるかもしれない。
だけど、その時は二人で乗り越える。
そして、二人で幸せになろう――…
【End】
「ん?」
「あの時、渡せなかったんだけど……」
「ん?何を?」
知里は振り返り、俺を見ながらきょとんとしている。
「……これ、受け取ってくれるか?」
そう言いながら、ポケットに忍ばせておいた指輪の入った小さな箱を差し出す。
“OK”の返事は貰っている。
それに、お互いの両親への挨拶も行ったのだけど。
こういうのを渡すって、緊張するな……
「えっ?えっ?」
知里は俺の差し出した掌に乗っている小さな箱を見て驚いている。
「忙しくて、二人でゆっくりする時間、なかなか取れないかもしれない。だけど、知里の事、大切にする。
だからさ……、もう一度言うから聞いて。俺と……、結婚して下さい」
俺は知里をじっと見つめながら言う。
「はい……」
知里は少し目を潤ませ返事をする。
「知里、左手出して」
「はい」
俺は箱から指輪を出し、差し出された知里の左手そっと触れ、そのまま薬指に指輪をはめる。
「知里……、愛してるよ」
そう言って、指輪をはめた知里の手にそっとキスをする――…
気持ちがすれ違った時もあった。
だけど、それを乗り越えたから、今の幸せがある。
これから先、困難な事があるかもしれない。
だけど、その時は二人で乗り越える。
そして、二人で幸せになろう――…
【End】

