「 ―――― 真木… お前
何なんだこの台所の
カップ麺とファーストフードの残骸は! 」
麻布にあるビル
周囲を囲む店も
品の良い、大人の顔を並べていて
ロビーには管理人
明るい光の注す
硝子に透けた吹き抜けもあった
エレベーターに乗り
真木の部屋へ入ると
かなり高そうな家具
生活臭のない、広いリビング
…それに比べてダイニングと来たら
キッチンバー、その卓の上には
積み上げられた週間雑誌と
インスタント食品ばかりが
山と積み上げられている
… さしずめ
帰り道にコンビニ、そして帰宅
マンガを読みながらカップ麺を食って風呂
寝るだけのベットに倒れ込む
そんな流れなんだろうけど…
「 好きなモン食っていいぞ
台所になんか、テキトーにあんだろ? 」
「 …… なんかってよ 」
冷蔵庫を開けると
それなりに材料は揃ってる
数個減ってるタマゴのパック
日付を確認する
――― よし 行けるな
棚にあった、デカいスパムの缶を出して
取り敢えず何か、作ってみようと思う


