「 ―― ミチルちゃん! 」
「 遠山クンは黙ってて!!
… 自分で歯を食いしばって
金も稼いだ事もないクソガキが!! 」
「 な…っ 何よあんたっ!!
そんなの払うって言って 」
「 ――― 金の問題じゃねえんだよっ!!
… あんたが今
その足の下に踏み付けてるのは
皆がその中で生み出した夢なの!!!
… 何気に入らないのか知らないけど
その半人前が作ったもの
―― 気分で壊して、汚して 」
ミチルは床に落ちている服を
急いで拾い集める
「 …あんたも突っ立ってないで
一緒に拾いなさい!!!
全部あんたがやったんだからっ!! 」
「 イヤよ!! ちょっ
床にはいつくばるなんて、
――― 絶対にイヤ!!! 」
アドリアナは走って
俺の後ろへと回る
ミチルは一瞬それを見て
黙って再び、服を拾いだし
そして一枚一枚確認
遠山さんも、それに参加する
しばらくして
ミチルは数枚の服を抱え
ツカツカとアドリアナの前に立った
「 …な、何よ
―― 汚れたなら、」
「 ――― 直しなさい、これ 」


