――― 椅子が引かれるとアドリアナは
それが当然の様に会釈も無く、
満足そうに席に座る
その椅子を引いた手は
微笑みながら、俺の隣へ
「 偶然だね!! 岡田くん
―― 隣、少しいいかな? 」
「 あら! ジュン!お友達? 」
―――… 絶対偶然じゃねえよ
「 水谷と申します よろしくどうぞ 」
そうアルカイックスマイルを浮かべた
綺麗な横顔
スッと延びた指には
グロウリングシルバー
アドリアナは自己紹介し、お互いに握手
たくさんのヘアピンで留められていた
水谷の髪は、だいぶ長くなって
全てキレイに、銀に色が抜かれている
かなり大きく胸が開かれた
ヘンリーネックカットソー
グレーのライダースパーカー
下は履き古された、デニムパンツ
「 …あ アドリアナさん
唇の横、少し色 落ちてますよ? 」
「 えっ… ホントに?
――― 少し、失礼するわね 」
着いたばかりの席から
アドリアナはバックを持って
化粧室の方へと体を向ける
―― あのすり替え画像事件の時に見た
とても優雅な
" アズとは全く違う "立ち居振る舞いで


