二階を一巡りしてみたけど
アドリアナの姿はない
多分、
もう席が埋まっていたんだろうと思う
再び、狭い階段をあがって三階
ここまで上がるのはダルいから
二階の賑わいに比べて
かなり、人影も疎らだ
アドリアナの姿は、すぐに見つかった
場所は窓際、四人席
―― 席は空いているのに
突っ立っていたから
「 … 何やってんだアドリアナ
座ればいいのによ 」
「 え… だって… 」
俺が椅子を引いて座ると
アドリアナは周囲をキョロキョロ見回す
… 誰を捜してる?
―――― あ
俺は慌てて立ち上がり
アドリアナの椅子を引


