「 ―― どうしたの?! ジュン!! 」
「 …… あ 」
やっと町のざわめきが
耳の奥へと届き始める
…… しばらく、意識飛んでたか…
…… どうしてなんだろう
何故こんなにアズの事だと
――― 同じ会話をした
あれはチャットでだったのか
電話でだったのか
… どっちでもいいんだ
俺はたったひとつでも
何かアズの事を知る度に、嬉しくなって…
だけど
――― あの時ベットの中で
どうしようもなくなってしまったのは
… そりゃ画像加工、やりまくるわけだ
多分一番、金がかかってる
映像の仕事に就いた今、それが判る
まだ新しい、腹の疵だけじゃない
背中にも
―― 頭にも
引いたんじゃない
… 引いたとは思いたくない
ただ一瞬
この体は彼女を支えられても
心を支える事は出来るのか…?
それは、考えた
すぐにその考えは
当時のゴマカシ屋な俺は
消してしまったけど ――――
「 … アドリアナ 腹空いてないか? 」
「 ―― そうね
ねえ、
あなた、人に酔ったとか?
私もたまになるのよ
そういう時は、
冷たい飲み物を取った方がいいわ 」


