アズは返事をせずに
固く握った両手を、胸の前
「 …… 上手く、やらないと 」
「 … 何よそれ 」
「 だってユカちゃんは
トオヤの彼女になるかもしれない人だ
――… そしてタカコちゃんは
クウヤの妹さん
シノ、ユリちゃんは、その二人の親友… 」
本人が大まじめに語る分
俺は堪え切れず、その言葉に大爆笑した
「 な…
何うちの母親みたいな事さ言ってんのよ
あれか!
ユカちゃんは弟の嫁で ―――
タカコって子は
兄の小姑みたいだな、それ 」
「 ――……… 」
アズは ジッと考え込む
「 そこまで後ろに下がって
物見なくていいと思うぞ
…… まあ付き合いも長くなるだろうし
気遣いするのも、判るけどな 」
俺は笑いながらも
――… ああ、そうだったのか と
本当に 呆然としてしまった


