「 おはよう〜 アズルン 」
「 おはよ 」
綿の、白い長袖
首から被るだけの簡単な寝巻で
広がったスソは、足首の 少し上まで
アズは目をこすりながら
まだ半分、眠った状態で頷く
しばらくしてからトテトテ歩いて来て
池上の前に、ぼーっと立った
「 … あのね リュウジが いないの 」
「 あのね〜 一旦、出かけた
"あずるが起きたら、
三時くらいには戻るから"って
伝えておいてって
だから、もう少しだけ眠ってるといいよ 」
「 … はい 」
池上は ふにゃりと笑い
アズも寝癖の髪を押さえながら
ふにゃりと笑う
リビングから出ていく素足は
陸続きの、灰谷が腹筋していた部屋へ
カーテンが揺れる
明るい日差しの窓際に座って
傍にあった毛布に包まると
二、三度位置を直し、クルリと丸まった
「 …… ベット行けばいいのによ 」
すると、池上が笑う
「 あそこなら、聞こえるから 」
「 え… 何を? 」


