降りたのは、原宿の駅


最近だいぶ改装されて
煤けていた、ホームの白い、木の柵が

真新しい
アルミ造りみたいな感じに変わった




不思議そうな顔で
俺の腕につかまったまま
アドリアナは駅の改札を出る




「 ―… ヘンな所ね ここ 」


多い時には
何万という客が通過して行くと言う
その割りには
あまり大きくない、改札を出る


すぐに
今年流行りの服を着た
かなり賑やかな通り


「 ヘンって? 」


「 ――… 昨日

おじ様と一緒に、アサクサに行ったの

私みたいに、
観光しに来てる人達と…


でもニホン人は、老人だけだったのよ

それなのに…この町には
ワカモノしかいないわ……

スッゴいヘンよ! これ!
ブシの国ならではの…
なにか、決まり事でもあるの?! 」




思わず、大笑いしてしまった


「 サムライの世界が
まだ続いてるわけじゃないぞ

… でもそうだなあ

ヘンって言えば、ヘンかな


うちのボスも、不思議な事言ってたし 」


「 ―― どんな? 」




立ち止まっているのも何だから

興味深そうに
俺を見つめるアドリアナを促して

ゼリービーンズを道に
ただぶちまけたみたいな流れに
ゆっくりと足を進める事にした