砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




真木はカチリと

メタリックレッドの携帯を閉じる


そして
縋る瞳で見つめるアドリアナに笑った


―――― 何か伝えようとしている様な

だけど、距離をハッキリと置いた

そんな光のある 強い眼で ――――





アドリアナは
目を逸らして玄関へと向かい、
靴を履く


そして前を向き、立ち尽くした




―――… 何分位
そうしていただろう


彼女は待ってるんだ


誰でもいい


まるで執事の様に、
扉を開いてくれる "誰か" を