砂場のロケット 〜キミと見る群青〜





チリチリと
蛍光灯の着いたキッチン


まな板の上に、拡げられたラップ




「 ハルト…!!!
いくら何でも、あのやり方は…!! 」




「 ―― あれでいいんだよ あの子には 」


「 な……… !! 」




「 キミや、ユカも ――――

"悔しさ"が原動力になるタイプだ

――― 他の事でも何でもいいんだけど


これをきっかけに
当分は俺を、『標的』にして行けばいい


人間は何もやる事がないと、
自然に澱んで行くだけだからね 」




袋に入れられ
丁寧に渡されたサンドイッチ




「 … そんな気持ち

今のあの子には、
伝わらないかもしれないぞ… 」



そう言うと
ハルトはまたお得意の
薄い笑いで、俺を見る


「 ――― 悪役が一人居なきゃ
お話の展開、つまらなくなるでしょう? 」