砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




『 信じられない 』と訴え
見開くアドリアナの瞳


ワナワナと、震える唇




俺自身も、
こんなやり方をするハルトに
ただ茫然としていた ――――――




「 ……――― ひどいわ…!!
こんな… ありえないわよ!!!」




「 何故…?

だって、これはまだ、俺の服だ… 」




氷の様に笑うハルトに
そう言い返されて何も言えず
アドリアナはグッと、息を飲み込む




「 最初から、こうする予定だった

何度もやり直され
布に空いた、幾つもの針穴

指もたくさん傷つけたろう ――――


良く見ると、レースに血が付いてる


… それで売り物になると思うかい? 」




アドリアナは
ボロボロと涙を流しながら
それでもハルトを睨み付ける




「 ――― 岡田

家に一度、戻るんだろう?
サンドイッチ包んであげるから
持って行くといいよ 」




部屋から出て、台所に向かう
ハルトの後ろを追った




「 ――――… ハルト!!! 」