やっぱりここか ――――
アナは服を拡げ
薄明るくなった窓の前で
じっとそれに見入っている
「 …… あ そうか 」
「 ジュン? 」
「 ――― ハルト 」
手を拭きながら
部屋に入って来たハルトが
裁縫箱や、ハサミの後片付けを始めた
一度、部屋の外に呼ぶ
「 どうしたの? 」
「 ――… 来た時も言ったけどあの服
俺、アドリアナに
プレゼントしたいんだ 」
腰のポケットに手を掛けながら
そう言う
「 …… 要らないよ 」
「 え ――― 」
「 仕上げがあるから、少し待ってね 」
「 ――――… ありがとう!! 」
ニコリと微笑むハルトに
腰から、手を外された


