テーブルに並べられたのは
来る時にもあった

都心に散らばる、
有名なパン屋のサンドイッチ


冷蔵庫に入れてあったのか
口の中で、ひんやりと溶けた




真ん中には
小さなグラスにハーブ


多分、ミントだと思う


だけど

手を洗いに行ったはずのアドリアナが
まだ席に着かない




真木はテレビを見ながら
ソファへ横になり
携帯をいじってから、
テーブルの上に置いた




「 ――― 岡田
今日、仕事何時からだ? 」


「 九時かな 」


「 そっか
オレ、少し寝るから、お前もそうしろ

アナ、ホテルに送るから
その時ついでに乗ってけ 」


「 あ
始発で、一度家に戻る
持って行かないといけない物もあるから
俺の事は気にしないでいいよ


――― 今日も良く、晴れそうだし 」




真木は頭に手を付きながら
笑って頷く


俺は伸びをして、立ち上がった